ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

読書感想

「空白の叫び」を読んでの感想 少年犯罪の物語

「空白の叫び」は犯罪を犯すことになった少年たちの物語。「胎動」「接触」「発動」の三部で構成されています。上下巻あわせて1100ページ以上。ボリュームはありますが、一気に読ませられました。 物語の冒頭にこんな但し書きがあります。 この物語は2000年…

「終わった人」を読んでの感想 終わったその先の生き方

内館牧子「終わった人」を読み終えた。僕も多分、迎えることになるであろう終わり。ぼちぼち考えるようになった。数年前まではセミリタイヤを意識していたもあるのだが、今ではそれを考えることは少ない。365日24時間を好きに過ごしなさいなんていわれても困…

群ようこ「老いと収納」を読んでの感想

本のタイトル通りのエッセイです。60歳を超えた群さんが自宅マンションの片付けをしたという話。 長年、捨てようと思っていたモノがようやく捨てられた。そのきっかけはマンションの修繕工事。ベランダにあるものを全て片せといわれたのだ。ベランダにはモノ…

「お願い離れて、少しだけ。」の感想

毒母がテーマの本書。著者は越智月子。同著者の作品は「モンスターU子の嘘」「咲ク・ララ・ファミリア」を読んだことがある。咲ク・ララ・ファミリアは家族の形を描いた作品。面白かった。モンスターU子は有吉佐和子の「悪女について」を思わせる作品。それ…

「横道世之介」を読んでの感想 その男の存在感

いい本を読むとその気持ちを残しておきたくなる。読後すぐに「ブログに書き残しておこう」と思わせてくれた一冊。吉田修一「横道世之介」2009年発行。以下、ネタバレもあります。 大学進学のために上京した世之介。新宿東口から物語ははじまる。そこからはじ…

赤いリュックサックの謎

昨日も記事を更新しようと思ったんだけど、途中まで書いてやめた。どうにも気が乗らなかった。今日も実は気が乗っていない。これは暑さのせいだと思う。もしくは台風のせい。 今日、記事を更新しなければ三日間の空白となる。それが当たり前になってくるとブ…

さみしさの正体はわからないまま

「きみの言い訳は最高の芸術」という本を読んでいる。映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」を観る機会があって、そのときに最果タヒという人を知った。 この人のサイト(最果タヒ.jp)を訪れたことがあるのだが、どうしていいんだかよくわからないつくり…

悲劇の名門 團十郎十二代

2017年現在の今、團十郎はいない。十二代目は2013年に亡くなっている。初代團十郎が生まれたのは1660年だから350年以上その名は続いている。だけども途中で何度か團十郎不在の時期もあったし、初代の血がそのまま続いているかといえばそういうわけでもないら…

「非色」有吉佐和子を読んでの感想

昭和38年に発行された有吉佐和子の小説「非色」写真の本は図書館で借りたものだ。50年以上も前の本だから痛みは激しい。それにしてもこのデザイン、なんとかっこいいのだろう。シンプルでオシャレ。ページの横の部分も黒で塗ってあって凝った作りになってい…

有吉佐和子「悪女について」の感想

最近、有吉佐和子の小説をよく読む。といっても今日読み終えたばかりの「悪女について」が三冊目。以前には「複合汚染」と「恍惚の人」を読んだ。 本書が書かれたのが1978年。40年近く前の本だ。「複合汚染」「恍惚の人」を読んだときも感じたのだが、全く古…

「本音で生きる」を読んでの感想

本音で生きられる人もいればそうでない人もいる。前者は強い人、後者はそうではない人。とは限らない?僕はといえば、そうだなぁ、時と場合による。絶対に譲りたくない自分の軸に関する部分については本音で勝負する。そうでなければ妥協する。常に本音が望…

有吉佐和子「恍惚の人」を読んでの感想

人は誰でも年を取る。どんなに立派な肩書があっても、どんなに沢山のお金を持っていても同じように時間は進み、歳を重ねやがては死ぬ。その直前、人はどのようになるか。老人問題を描いた一冊。今から45年も前に取り上げられたこの問題はよりいっそう深刻に…

雫井脩介「望み」を読んでの感想

ある日突然連絡が途絶えてしまった高一の息子・規士。どうやら地元で起きた殺人事件に関係しているという。未成年であるがゆえに事件の詳細な情報は入ってこない。建築デザインを仕事としている父・一登。校正の仕事をしている妻・貴代美。高校受験を控えた…

堀江貴文「むだ死にしない技術」を読んでの感想

むだ死にとは 予防できる手段があるにも関わらず、何の手も打たずに病気にかかって命を落としてしまうこと。あるいは、知識不足や怠慢から検診や治療をせずに健康を害し、生活の質を損なうこと。 146ページの薄い本書。目次等を除けば実質100ページくらいし…

「複合汚染」を読んでの感想 複合汚染の原因は解明されるか?

有吉佐和子の「複合汚染」という小説は1975年発行なので、今から40年以上も前の小説。いちおう小説という形らしいが、内容はドキュメンタリー。公害先進国日本だった頃の環境問題について述べている。主には食品問題。農薬を大量に使っていた昔の日本。「水…

「やっぱりヘンだよね」の感想 ホリエモン×ひろゆき

いろんな「ヘン」について語られる一冊。世の中にはおかしなルールがたくさんある。国のルール。学校や会社のルール。暮らす地域のルール。自分だけのルール。そんなルールについて対談しています。とはいっても本書はLINEのみで行った対談だそう。 第1章「…

「ときをためる暮らし」を読んでの感想

「ときをためる暮らし」という本はこの記事にも書いた「人生フルーツ」のおふたりの語り本。英子さんとしゅういちさん。基本的には映画の内容を本にしたような感じ。映画をみているから、おふたりの姿や生活が本書を読むことで蘇ってくる。 食べることが基本…

「脳には妙なクセがある」の感想

脳のクセ。自分とはなんでしょう?生きる意味ってなんでしょう?よりよく生きるとは?それを達成するために脳科学の観点から語った一冊です。 脳の衰えを錯覚する 脳が老化するから読書ができなくなるのではない。むしろ体力の衰えがそれに影響している。目…

向田理髪店の感想 ありふれた毎日

向田理髪店 奥田英朗 寂れた田舎町の話。昔は賑わっていた炭鉱の町。明るい将来など見えるはずもなく。そんな現実を受け入れざるを得ない人。それでもなお、なにかを取り戻そう、この町を盛り上げようとする人。田舎の閉塞感。その反面のあたたかい交流。そ…

怒りの読書感想文

怒り(上)(下) 吉田修一 上下巻の二冊構成となっているが、文字数自体はそれほど多くないし、読みやすいのであっという間に完読。事前に映画を観ていたこともあって、映画の映像を頭の中に思い浮かべながら読んだ。ラストが微妙に違うもののその他の場面はほ…

紙の月、その感想 金に使われた女たちの物語

紙の月 角田光代 2012年3月発行 金に翻弄される女たちの話です。お金が欲しいというのは結局、見栄を張りたいから。きれいに着飾って化粧をして、美味しいものを食べて、ワンランク上の暮らしを手に入れて。欲は果てしない。見栄を張って手に入れた上質であ…

悪母 -ママ友の人間関係-

「悪母」春口裕子。その感想。 ママ友。人間関係。このふたつのキーワードだけでネチネチとしたものを感じる。想像通りの後味の悪さ。キライじゃないけど、決して近寄りたくはない世界。子どもを通したママ友の世界。学校や近所の公園。そこから抜け出したく…

梅ヶ谷ゴミ屋敷の憂鬱

梅ヶ谷ゴミ屋敷の憂鬱、著者は牧村泉さん。タイトルからしてゴミ屋敷をめぐる騒動かと思いきや、そういう話でもありません。 あらすじ 会社を辞めた夫が実家に帰ることになり、そこについていく妻。実家は寝る場所を確保するのもやっとのゴミ屋敷。モノで溢…

禅 シンプル生活のすすめ

「禅 シンプル生活のすすめ」の感想です。著者は枡野俊明さん。禅寺の住職であり、庭園デザイナーでもあります。初版は2009年で、その頃からこの本は本屋で立ち読みしていました。買えよって話ですけどね。ページを開くと右側にタイトルがあり、左側にそれに…

フランス人は10着しか服を持たないの感想

一年以上前に図書館で予約をしていたらしい「フランス人は10着しか服を持たない」という本。すっかり予約したことなど忘れ、興味も失っていた。予約した時点で「まあ、話題の本だし予約しておくか」程度だった。 単なる断捨離系のハウツー本かと思っていたが…

旅猫リポートの感想

旅猫リポート 有川浩 ぼくはオス猫のナナ。5年前にサトルに拾われ、幸せにくらしてきた。事情があってぼくを手放さなくてはならなくなったというサトルは、引き取り手をさがすため、銀色のワゴンに乗って旅に出る。サトルとぼく、ひとりと一匹が出会う、素敵…

頼むから死なないで -チェーン・ポイズンの感想-

チェーン・ポイズン 本多 孝好 「その自殺、一年待ってもらえませんか?」三人の自殺志願者にもたらされた“死のセールスマン”からの劇薬メッセージ。死に向かう者にのみ見えるミステリアスな希望を描いた心揺さぶる長編小説! 本当に死ぬ気なら、一年待ちませ…

「逆転の仕事論」の感想

あえて、レールから外れる。逆転の仕事論 堀江貴文 就職した会社で、与えられた仕事をコツコツこなし、幸せな定年を迎える。そんなレールに乗った、かつての成功モデルは既に崩壊している。 では、いま最も有効な働き方とは何か?本書では、武田双雲、佐渡島…

聖なる黒夜の感想

聖なる黒夜 柴田よしき 676ページの分厚い本。文字は小さいし読んでも読んでもページは前に進まない。そう感じたのは冒頭五分の一くらいまでで、その後はこの重厚な物語に一気に引き込まれた。最後の数ページになったときは、この物語が終わってしまうことに…

ピンクとグレー、映画と小説

「ピンクとグレー」は加藤シゲアキの小説で、その映画を少しばかり前にみた。後半は混乱したけど、前半のいかにも青春している感じは好きだった。原作にも興味があったので借りて読んだ。映画と原作は全然違った。 映画と小説 僕は映画が面白かったからとい…