ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

変わることをおそれたボクはひとりぼっちになった

仔犬

先日から、うちには勝手に住みついてしまった犬の親子がいます。彼らの行動に自分の思いを重ねてみました。

  

お父さんの存在感

お父さんって見かけたことないんですよね。お母さんは栗毛っぽいけど、子どもたちはみんな黒なんで、お父さんは黒犬のはず。けど、みかけたことないんです。どの世界もお父さんの存在感ってのは薄いですね。子どもに大切なのは、お母さんなんですよ。お父さんじゃないんです。

 

と、思っていたらですね、お父さんらしき犬と出会いました。夫婦そろって、家の前にいたんですよ。その瞬間、「なんだ、男いるんじゃん。」って冷めた気持ちになりましたね。なんだ、この気持ちは。嫉妬か。メス犬にオレは嫉妬しているのか。そうではなく、母子家庭で懸命に子育てをしているお母さんの姿に感動していたのに、実はお父さんが近くにいたという現実にガッカリしたんですね。

 

久しぶりの再開か?

いや、そうとも限りませんね。実はお父さんは三年の刑期を終え、はれてシャバ生活に戻れたのかもしれません。

 

「長い間待たせてすまなかった。迷惑掛けたな。子どもたちは元気か。」

 

「えぇ、元気ですとも。ようやくこの日が来ましたのね・・・。」

 

でもね、お父さんは相変わらず、子育てはしようとはしませんし、あれから姿も見せません。やっぱお父さんってば無責任だわ。

 

遠くへ行ったまま

ところで、今朝のことです。なにげなしに窓の外を見ると、遠くにみなれた姿が。そう、犬の親子です。「あんな遠くまで行って帰ってこれるんかいな」と思いながら眺めていました。

 

あれから半日。子どもたちは帰ってきません。お母さんはうちのまわりをウロウロしてるのですが、子どもたちの姿は見えません。一匹を除いては。その一匹はいつも兄弟たちの一番うしろをついて走ってしました。兄弟は、彼らの世界の全てであったはずのうちの庭から徐々に行動範囲を広げていました。しかしのその一匹は外に出ることをおそれ、決して自分の世界から外へは出ようとしませんでした。

 

兄弟がどうなったのかはわかりません。帰ってこれなければ、泣き叫ぶはずですが、そんな声も聞こえてきません。泣き声も聞こえないほど、遠くへ連れていかれたのか、それとも。

 

変わることをおそれたボクは

兄弟は行方がわからなくなりました。変わることをおそれ、決して自分の世界から外へ出ようとしなかった彼は、今もお母さんといつもの場所で寝ています。だからといって、彼がこの先、安泰だとも限りません。彼がこの厳しい世の中で生き延びていくためには、圧倒的に強さが足りません。いつまでも親のすねをかじって生きていくことはできないのです。

 

兄弟がいなくなった彼は今、ひとりでさみしそうに鳴いています。兄弟たちとの楽しかった日々を思い出しながら、ただただ鳴いています。だからといって兄弟たちを探しにいく勇気もないのです。彼はこの先ずっと、同じ場所で鳴き続けながら一生を終えるのでしょうか?