ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

ミニマリストを目指しても探し物はなくならない

探し物

探しものはなんですか?見つけにくいものですか?

 

探しものをしている時はたいていイライラしているので、陽水のあの声で囁かれるとイラッとくるかもしれない。斉藤由貴ならまだ許せるかもしれない。失くしたのはカギだ。車のカギ。車のカギなんてものは出掛ける直前でないと必要にならないから、それまで失くしたことに気づかない。

 

「あー、もう、遅れそう。」

 

失くした自分と時間のなさとに益々イライラする。どこにやったかなぁ。昨日は車で出かけたな。帰ってきてからカギをどうしただろう?定位置にはない。いつものカバンの中にもない。そこらへんにコッソリ置かれている様子もない。ひょっとして買い物袋の中か?いや、ない。ひょっとして冷蔵庫の中か?いや、ない。あ、ダウンジャケットのポケットの中だ!もうそこしか思い当たらない。自分の部屋のクローゼットを開け、ダウンジャケットのポケットを探る。おかしい、ない。ポケットに穴が開いているわけでもなし、どこかに落としたに違いない。

 

・・・時間切れだ。これ以上探していたら確実に遅刻してしまう。さいわいにもスペアキーを持っているので、今日はそれを使うことにする。このスペアキーを失くしたら、僕はもう終わりだ。車のドアを開くことができなくなり、すこぶる面倒な状況に追い込まれる。年末にそんな面倒なことに巻き込まれたくない。

 

仕事中もなんとなくカギのことが気になる。失くしたのは、ボタンを押してロックが解除されるタイプのカギ。あれを失くしたら、下取り出した時に不利かなぁなんてセコイことまで考える。そうこうしている間に定時になったので帰ることにする。上着を着て何気なくポケットに手を入れる。

 

・・・あ、あった。

 

そうか、昨日はこのニットを着ていたんだっけ。この時期はダウンジャケットを着る機会が多かったから、すっかり昨日もダウンジャケットを着ていたと思い込んでいた。思い込みというのはよくないし、きちんとモノを定位置に戻さなかった昨日の自分はもっとよくない。

 

実は以前にもカギを失くしたことがある。そのときは会社のロッカーの書類の間からそれが出てきた。カバンに入れていたはずのカギが気がつかないうちにロッカーの中で落ちてしまったんだと思う。そのときは一週間くらい見つからずにほとんど諦めていた。見つかったときは本当に嬉しかった。なにひとつ得はしていないし、元の状態に戻っただけなのに、それでもうれしかったのだ。

 

モノを少なくすると、探し物に要する時間が減少するという話を聞くが、決してなくなることはない。僕の場合はね。