ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

自分のアンテナにうまく引っかけるには

酔鯨

365日のシンプルライフ

今更ながらではあるが、「365日のシンプルライフ」を観た。気にはなっていたが、近くの映画館では上映されていないし、ネット配信でわざわざ観なくてもなぁという感じで足が遠のいていた。タイミングが合い、旅先の小さな映画館でそれを観た。

 

僕には少し退屈かもと思いながらみていた。まあ、だいたいがシンプルライフなんて退屈なものだ。刺激的なシンプルライフなんてないのだろう。退屈な生活だから、色んなことを考えることができるし、真剣にモノと向き合うこともできる。壊れた冷蔵庫を前に真剣に考えている主人公はかっこよかった。でも、冷蔵庫を廃棄するときは感謝の気持ちを持てよなんて思いながら観ていた。

 

結局は「ホントに大切なモノってなんだろね?」って話だ。いちばん印象に残ったのは、おばあちゃんの笑顔。目がとても綺麗だった。スーパーマリオみたくなった主人公を見て、笑い転げるお母さんも印象深かった。僕も一緒になって笑った。笑顔の連鎖。やっぱり映画館で観れてよかったと思う。

 

酔鯨

突然話は変わるが、酔鯨という高知の日本酒がある。最近、吉田類の酒場放浪記をよく見ている。吉田さんの出身地のお酒だということで、酔鯨はよく紹介される。それまで僕は酔鯨という名前すら知らなかった。番組の中では他にもいろんな種類のお酒が紹介されているはずなのだが、なぜかこの酔鯨が特別に気になっていた。しかし、年の暮れまでそれに出会うことはなかった。

 

「うちで四国の日本酒を仕入れることは珍しいんですよ。鯨も酔うくらいに美味しいって言われてましてね、辛口でいい酒ですよ。」

 

店主は数ある日本酒の中から開口一番にその酔鯨を僕に勧めてくれた。僕は年末になると、お世話になっているこの酒屋さんに行き、日本酒を買うのを恒例にしている。そんなあいさつ回りをすると、いかにも年末のような気がしてくる。一升瓶で約三千円。高くはない。それになにより、ずっと気になっていたお酒である。僕はすでにそれを買うことを心の中で決めているのだが、一応、他のおすすめも聞いてみる。赤い猿の絵のラベルのお酒も気になる。あれは日本酒だろうか?焼酎だろうか?今度、聞いてみよう。

 

「じゃ、最初にオススメして頂いた酔鯨下さい。あ、小さいのもあるんですね。じゃ、それも下さい。」

 

720mlの酔鯨もあったので、兄弟へのプレゼント用として購入する。こちらは一千八百円。一千八百円で兄弟の機嫌をとろうとは思わないが、こういったこともたまには必要である。

 

酔鯨との出会いも不思議なものだと思う。年に数回しか訪れない酒屋に僕が行き、その酒屋では普段仕入れない酒にたまたま出会う。「365日のシンプルライフ」にしてもそうだ。公開から日が経っている映画を僕の都合に合わせてくれたかのように上映してくれる映画館があったのだ。

 

どちらもタイミングがいいだけの話だといえばそれまでなのだが、共通しているのは、僕がずっと気にしていたということ。気にしていなければ、どちらも僕のアンテナには引っかからなかっただろうし、気がつかなかったかもしれない。