ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

空き巣被害にあった経験を語るよ

空き巣

年末年始の留守中を狙った空き巣被害のニュースをテレビで見た。家にあった現金3,000万円を盗まれたという。自宅に大金を保管しておくなんて、この人は銀行を信用してなかったんだろうなぁ。盗まれてしまったお金はきっと戻ってこないんだと思う。実は僕も昔、空き巣に入られたことがある。両親の法要で頂いた香典をごっそり盗まれたのだ。

 

「あれ?香典どこにやったのかなぁ?」

 

そう思ったのは法要からしばらく経ってのことだった。僕は頂いた香典を何の気なしにタンスの引き出しに入れていた。だが、見つからない。きっと自分の思い違いでどこか他の場所に保管したに違いない。単純にそう思った。香典袋は開けていなかったので、総額でいくらあったのか僕は知らない。

 

ある日、警察から電話がかかってきた。警察が僕になんの用だ?僕はなにも悪いことなんてしてないぞ。

 

「ここら辺を荒らしまわっていた泥棒が捕まりましてね。余罪を追及したら、アズさんちにも侵入したらしくて」

 

そうか、香典袋は確かに僕の記憶通りタンスの引き出しにあって、それをどこかの誰だか知らない人間が持ち出したのか。金額的な被害よりも、見ず知らずの他人が僕の家に侵入したという事実が気持ち悪い。ぞぞぞっとする。お金に未練がなかったのは、そこにいくらあったか僕自身が知らなかったからだろう。香典を盗まれたなんてことが分かったら、頂いた人に申し訳ないので、僕はこのことを他人に話したことはない。

 

「泥棒もお金がないから盗ったんだと思うんですね。泥棒が返すといったら返ってくるでしょうけど、可能性は限りなくゼロに近いでしょうねぇ」

 

まあ、そんなもんだろう。警察に八つ当たりしてもしかたがない。悪いのはその泥棒だ。無用心だった僕だ。わずかなお金のために檻の中に入れられて、これから先もろくな人生を送らないんだろうなぁ。そう思うと僕は不思議と全く負の感情が湧かなかった。

 

今の僕の家はガランとしているので、その状況をみたら、泥棒もそそくさと退散するのではないかと思う。荒らされたであろうタンスもすでにない。というよりも、引き出しが付いているモノ自体がほとんどない。現金ももちろん置いていない。金庫もないし、金目のものはなにもない。「なんでぇ、貧乏屋敷か」そういって、泥棒は残念がりながら退散するに違いない。

 

それよりも僕が留守中に何度か警察が家を訪ねてきたということのほうが気になっていた。

 

「アズさんちに警察が来たんですってよ。なにやったのかしら」

 

へんな誤解をされていなければいいと思う。