ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

イカがいたそう、いやスズキとな

スズキ

僕は数日前から無性にイカの刺身が食べたかった。母が亡くなったのは数年前の今頃の季節である。母は握り寿司の中でイカが一番好きだといった。だから、その年の仏壇にはイカの握りを供えた。そのことと今の僕のイカに対する気持ちがリンクしているかどうかはわからない。多分、関係ないと思う。

  

イカの刺身を酔鯨で流し込む。

 

そんなことを僕はずっと想像していた。酔鯨とは先日買った高知の日本酒である。その日本酒のビンの側に貼ってあるラベルを何気なく見ると、「出身地 広島」とある。日本酒に出身地なんてあるのか?しかも高知ではなくて広島なのか?よく見ると杜氏の方の出身地であった。

 

 

ところでイカの刺身である。僕はいつものスーパーに行き、刺身コーナーを覗く。そこには普通のイカの刺身とイカそうめんがある。結局どちらもイカの刺身のように思えるのだがなにが違うのだろうか?イカそうめんはそうめんのように啜って食べる。刺身はそれ自体を口に含んでからムシャムシャと食べる。食べ方の問題なのだろうか?僕はキレイに整理整頓されたイカそうめんの見た目に魅力を感じない。食べ物に関しては、あまりキレイに整列されていないほうがいい。そう思い、イカの刺身を手に取ろうとした。

 

「うーん、このスズキの刺身、実に旨そうだ。」

 

すごく脂がのっていて旨そうなスズキの刺身が僕の視界に入ってきた。

 

スズキの刺身を酔鯨で流し込む。

 

僕のここ数日のイカに対する想いはどこへやら、気がつくとスズキの刺身を買い物カゴへ入れていた。まあ、イカの刺身なんていつでもあるしな。そう自分自身に言い訳する。スズキの刺身を見掛けるのは珍しい。その珍しさも手伝ってこのような決断に至ったのだ。そして僕は、スズキの刺身を酔鯨で流し込む姿を想像しながら家路へと急ぐ。

 

そして僕は、酔鯨をワイングラスに注ぎ、スズキの刺身をいただく。

 

「うん、弾力があってコリコリしてて美味しい。」

 

そして、想像通りにスズキの刺身を酔鯨で流し込む。

 

「うん、酔鯨も余裕で美味しい。」

 

ところで、スズキってどんな魚だっけ?そう思い、ネットで調べる。スズキを調べると、鈴木さんの画像が当たり前のように出てくる。「スズキ 魚」で再検索する。スズキとは、なんだかシャケみたいなヤツだった。少しシャクレ気味。ってか魚って基本、シャクレてるんだっけ?

 

何の気なしに「スズキ 刺身」でも検索してみる。

 

スズキというのは刺身で食べてはいけないのでしょうか?食べたら家族全員、熱出ました。

 

なに?刺身で食べるべき魚じゃないのか?刺身を食べて熱が出たらしい。スズキは煮て喰えという俗語さえあるらしい。今まさにスズキの刺身を食しているのだが。この状況をどうしてくれよう。明日になったら熱が出るのか?それともうなされながらの夜を迎えるはめになるのか?

 

よくよく調べてみれば、汚染された海で釣ったスズキは刺身で食べない方がいいということらしい。まあ、それはスズキに限った話でもないわけで。なにかに汚染されたものは食べない方がいいわけで。おかげさまで僕は今日も元気です。