ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

孤独のススメ

 孤独のススメ

邦題の「孤独のススメ」に惹かれてこの映画を観た。正直な感想をいうと、僕にはあまりピンとこなかった。「孤独のススメ」というタイトルは内容にあってないし、シンプルに暮らすといううたい文句もそれほどでもなかった。この映画とミニマリズムを結びつけて考えるのには少し無理がある。 以下、ネタバレありでございます。

  

 妻の死後、田舎町で単調な生活を送る初老の男が、言葉も過去も持たない男との奇妙な共同生活を通じ自らの人生を見つめ直していくさまを、ユーモアたっぷりに描く。さまざまなしがらみから離れて、シンプルに自分らしく生きることの意味を問い掛ける一作。

 

自分らしく生きる。田舎での暮らしや宗教のしがらみ。過去に起きたことへの執着や目の前で起きていることへの理解。彼はなぜそれを受け入れようと思ったのかが理解できない。主人公の前に現れたのは、交通事故で過去を失ったおっさん。その彼を主人公はなぜか受け入れ、おっさんふたりの共同生活がはじまる。同性愛者でもないはずのふたりが結婚式を行うシーンがある。しかもおっさんはウエディングドレスを着ている。記憶を失ったおっさんには妻がいて、偶然その妻に出会う。一度は妻の元に帰ったのだが、ふたたび主人公の家を訪れるおっさん。妻は主人公の家へ向かい、「ここがあなたの場所なのね」とおっさんを主人公に託す。

 

主人公の妻は交通事故で亡くなり、ひとり息子は自ら追い出した。 この息子はゲイだったんだろうね。だから家を追い出した。そして、キャバレーで「これが私の生きる道」と堂々と歌うフレディマーキュリーのような格好をした息子と再会。息子も父親の存在に気がつく。言葉は交わさないがふたりの間の壁はなくなったのだと思う。ルールに縛られて生きてきた主人公は奇妙な同居人との生活を経て、「自由?」「自分らしく生きること?」そんなことを理解したのだと思う。

 

だからね「孤独のススメ」ではないのだよ。むしろ逆。そこに違和感がある。映画の紹介文もいただけない。僕はこの先入観で観てしまったものだから、ピンとこなかったのだと思う。 のんびりした雰囲気の中でいろんなことを考えたいって人にはオススメの映画だと思います。