ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

沢蟹サワ子と蝶野アゲ美

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僕のうちにはカニがいる。沢山いる。海の近くってわけでもないし、むしろ山に近いのにカニがいるのは不思議だ。と思っていたのだけれど、別に不思議なことでもないらしい。カニといって真っ先に思いつくのはサワガニ。サワガニは渓流の近くに住むものらしい。いくら田舎だからといってさすがに僕のウチに渓流はない。

 

「山カニっているのかな?」

 

山にいるのだからきっと山カニという名前に違いない。名前のつけ方なんて安易なものだから。早速ウィキペディアで調べてみる。どうらや「山カニ=サワガニ」らしい。目論見が外れた。調べを進めていくうちにどうやら僕のうちにいるカニはアカテガニらしいということがわかった。漢字にすると赤手蟹。その名の通り手が赤いのだ。やはり名前のつけ方というのは安易なものだ。湿度が高く石垣の間などに住んでいるらしい。僕のウチの裏はまさにそんな感じなので、アカテガニが住むにはピッタリだったのだ。冬の間はその石垣の中で冬眠する。カニが冬眠するのって普通なんだっけ?初めて聞いたぞ、僕は。冬の間にも彼らは石垣の中でひっそりしているのか。

 

彼らは僕が仕事にでかけている間は我が物顔で庭を遊び場にしているらしく仕事を終えてうちに帰るとそこかしこでたむろっている。僕が帰ると慌てて両手の大きなハサミを広げて出迎えてくれる。威嚇してんじゃねぇよ。ここは僕のウチだぞ。居候のくせに。でも、必死に威嚇している様子は微笑ましいね。人間に敵うはずもないのに。そんな小さな体でどうやって戦うというんだ。さっさと石垣の中に退散したほうが身のためだ。

 

部屋の中からボーッと彼らの様子を眺めているのも楽しい。両手のハサミでなにかを摘んでそのなにかを食べている。器用なもんだ。アカテガニは雑食性でなんでも食べるらしい。自然界に生きるものだから好き嫌いをしていては生きていけないよね。子どものアカテガニをみかけることもある。すごく小さくて白っぽい色をしている。なにものにも染められていない。大人になるにつれ、まわりの者を敵だと認識し、その怒りによって段々と赤くなっていくのだと思う。カニはカニで大変なのだ。

 

余談

カニを眺めていると、ふいに蝶々が現れた。黒アゲハだと思う。それがね、滑稽なまでに飛び方が下手なんだよ。蝶々ってのは優雅に羽根を動かして飛び回るものじゃない?それがね、一生懸命バタバタとしているんだけど、全然前に進まないの。飛び方が下手な蝶々なんて初めてみた。僕は好きだな、笑われても懸命に頑張るやつ。