ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

ご先祖供養と悔いてる気持ち ーお盆とお盆ー

盆提灯

お盆だね。お盆といえばお盆休みだね。うれしいね、休めて。

 

お盆とは先祖の霊を供養する行事です。

 

そうだ、休めてうれしいとかそういう問題ではない。お盆にはご先祖様が帰ってくるのだ。でもゴメン、ご先祖。僕はせっかくの休みだから旅行に出かけることにする。その前にやることはやっといたから安心して。

 

まずはお墓参り。春分の日の頃のお墓参りはついつい忘れがちだけど、盆と正月だけは忘れるわけにはいかない。忘れると自分の気持ちが落ち着かない。親戚よりも早く墓参りをしておかないと、親戚に墓掃除をさせる羽目になる。そういうわけにはいかないでしょ、やっぱ。夏は暑いから早朝から出かける。早朝に花屋は開いてないから前日に花を買っておく。夏は蚊取り線香も必須。やぶ蚊が多いんだよね。一度だけ殺虫剤を持って行ったことがあるんだけど、墓石に向かって殺虫剤を振りまくようになるのでやめた。近所迷惑にもなるし、ご先祖様にも怒られそう。「わしはゴキブリか」と。

 

盆と年末にはお寺の住職も我が家にやってくる。集金にくる。間違えた。お経をあげていただくのだ。その見返りとしてお金を要求される。間違えた。お布施という形で感謝の気持ちを表すのだ。夏は盆提灯を飾る。「面倒だからいっか」と思ったりもしたが、盆提灯を組み立てることなんて年一回のことだ。やっておこう。

 

盆提灯

 

もう一つのお盆

僕にはどうしても捨てられないものがある。それが写真のお盆だ。なんてことはない普通のお盆。プラスチックでできているのか。デザインもいかにも昭和っぽい。

 

お盆

 

僕がギックリ腰で一週間起き上がれなかったことがある。その頃、母はガンでかなり弱っており、一日のほとんどをベッドの上で過ごしていた。それから一ヶ月後に入院をし、その一ヶ月後に亡くなった。腰を痛めて起き上がれなかった僕に母は食事を用意してくれた。それをお盆に載せ、僕の部屋まで運んでくれた。

 

トントン。

 

部屋をノックして、お盆を手に母は部屋に入ってきた。その頃の母にはそのお盆でさえとても重かったのだろう。体のバランスを崩してよろけた。

 

「なにしてんだよ」

 

僕はそう言ってしまった。「そう言ったってさぁ」と母は照れ隠しのように笑いながら言った。その時、母がなにを作ってくれたのかは全く覚えていない。だけども、その時の母の顔だけはとてもよく覚えている。そして、なぜ「大丈夫?」と言ってあげられなかったか。それを今でも悔いているのだ。