ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

人生の変え方 -手に届く夢と危うい今日の日-

手

今朝は目覚めるのが少し遅かった。結果、ウォーキングに出かける時間も少し遅めだった。すでに外は明るい。早くしないとすぐに太陽は出てきて暑くなる。あと少しで自宅に到着というときのこと。向こうから男性が歩いてきた。やっぱ、朝早くに歩かないと暑くなるからね。お互い大変だよね。なんて心の中で思いながら、通り過ぎようとしたのだが…。

 

「あれ?○○さん?」

 

その男性は知り合いだったのだ。かつては同じ職場で働いていた。それがある日、突然会社を辞めた。50代になったかどうかという年齢だったと思う。

 

「あぁ、アズ君、久しぶりー」

 

お元気そうだ。そりゃそうだよね、朝からウォーキングに励んでいるんだから。そこで立ち止まって数分間たわいもない話をした。僕は色々聞きたいこともあったが、結局なにもきかなかった。どうして会社辞めたんですか?今なにされてるんですか?そんなことは大きなお世話なのだ。色んな事情があって辞めたのだろう。偶然出会っただけの元同僚にそんなことを聞かれたくはなかろう。

 

僕んちの近所に住んでいる先輩も同じ職場に勤めていたのだが、やはりある時辞めた。希望して配置転換となったのに、その職場に馴染めなかったというのだ。福祉関係の仕事に就きたいという夢をもっていた先輩はそれを機に会社を辞めた。

 

「実は数年前から介護に必要な資格を取ったりしてたんだ」

 

福祉関係なんて今一番過酷で低賃金の職種じゃないか。そんなところに自ら転職するだなんて。先輩からその夢を聞かされた時、僕はそう思ったのだが、やはり余計なことは言えなかった。それを余計なことと捉えるか、アドバイスと受け取るか。僕が夢を追いかけているときに、そんな否定的なことを言われたら、間違いなく大きなお世話だと感じる。介護職についたその先輩は一年も経たずに仕事を辞めたらしいという噂を聞いた。思い描いていた夢と違ったのだろう。それから先輩は合わす顔がないのか僕たちとの連絡を絶った。手に届く夢というのは現実化しやすいぶん、危ういものだと知った。

 

転職を繰り返しスキルアップをするという方法もある。ひとつの道を極めるという道もある。職人なんてまさにそうだと思う。十年経っても一人前といわれない職業だって沢山ある。そんな考えは時代に即していないという人もいるが、時代を基準にする必要などなく、基準は自分自身であればそれでいいと僕は思うわけだ。