ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

ニベアをリップクリームにする

ニベア

リップクリームっていうのはワンシーズンでは使いきれない。たいてい二、三年は持つ。使うのは寒くなってから。唇がかさつく季節になってからだ。実際には三年経っても使いきることがない。だけども、唇に直接塗るものをそんな長期間に渡って使用するのは衛生的によくないような気がする。だから昨シーズンが終わったころに使っていたリップクリームは捨てた。

 

そして僕は、リップクリームを持つことのないまま乾燥シーズンを迎えた。結果、唇はカサカサになり切れてしまった。いたいよ。

 

僕はとても乾燥肌だから、スキンケア用品がかかせない。別にもっちり肌になりたいわけではない。きれて痛いから、それらを使用しているだけだ。ベタベタするくらいにつけないとあっという間に乾燥する。唇も同様ってわけだ。

 

「とりあえずニベアでも塗っとくか」

 

目の前にニベアの青缶があったから、それをほんの少し小指ですくいとり唇に塗ってみた。その姿は仕事前に紅を塗る吉原の花魁のよう。あ、想像しなくていいからね。

 

ニベア

 

「あれをリップの代わりにするなんて」と最初は自分でも抵抗があった。でも、意外といい。なにがいいかって、ニベアの青缶ひとつで済むこと。リップクリームを持つ必要がないこと。それなのにリップクリームの役割を果たすこと。

 

少し多目にニベアを塗れば唇は白くなり、一昔前のギャルっぽくなる。その状態で人前に出るのは憚られるので下唇と上唇をフハフハと重ね合わせ、ニベアを塗り込んでいく。男子がやる行為じゃないような気もするが気にしない。多すぎるニベアはベタつくが、それが安心感に繋がる。ここまでしっとりとさせとけば、唇が切れることはないだろうという安心感。

 

ニベアを多目にとり過ぎたら、それを爪に塗ってみて。爪が艶々になるから。男子の場合はくれぐれもその姿を人様に見られぬよう。