ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

シネマ歌舞伎 ワンピースの感想

ワンピース歌舞伎

こんな記事を書いておきながら、自分が観に行かないなんて選択肢はない。シネマ歌舞伎の第25弾「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」のことだ。2015年11月に新橋演舞場で上演されたものが映画化されている。舞台では3時間半で上演されていたものが映画では2時間になったのだから随分と省略されている感はある。

 

三部目になってようやく右近演じる白ヒゲが登場する。だが、まさかの全カット!?えー、右近の場面まるまるカット!?まあ、その後に少し出てきたからいいけど。あの重厚感がいかにもスーパー歌舞伎らしくてよかったんだけどなぁ。全体的に軽い演出が多かったから、あれでバランスが取れていたと思う。

 

僕はワンピース歌舞伎を2016年の博多座で観た。僕が足を運んだのは、熊本地震があった翌日で、劇場内には空席が目立っていた。その震災を受けて開演前に口上があったり幕間には演者が募金箱を持って客席内をまわったりもしていた。

 


舞台と映画の圧倒的な違いは役者への近さ。目の動き。したたる汗。衣装の細かなところまでも確認できる。歌舞伎役者以外はマイクをつけてたみたい。声をつぶさないためには必要なのかもね。声をつぶさないといえば坂東巳之助演じるボン・クレーのあのダミ声。よく声をつぶさずに演じられるなぁと思った。春秋座で拝見したときは違和感を感じたが、このワンピース歌舞伎では光っていたね。

 

ワンピース歌舞伎

 

本水を使った立ち回りのシーンもある。映画になってもその迫力はかわらない。あれって絶対にスクリーンからマイナスイオンが出てると思う。中村隼人もなんだか楽しそう。役者のテンションの高さが伝わってくる。ワクワクする場面のひとつだ。本水を使った場面というのはスーパー歌舞伎ではお決まりの場面でもあります。

 

ところで、このワンピース歌舞伎のメイクはどうやって決めたのだろうか?歌舞伎役者は全て自分でメイクをするらしい。古典歌舞伎なんかだと、この役にはこのメイクというのが大体決まっていて、そこに役者個人の解釈が加わってメイクにアレンジをするのだそう。今回のワンピース歌舞伎みたいに新作のときはどうするんだろうね?

 

舞台をみたことのある人にとっては「あの場面もみたかった」なんて欲が出てくると思う。右近の出番をもっと増やして欲しいし、猿之助演じるハンコックの派手な衣装ももっと見たかった。

 

原作のワンピースは少年ジャンプに連載されているものだから「友情・努力・勝利」がひとつのテーマになっていて、そんな場面も多くある。その真っ直ぐなまでの思いが正直、恥ずかしかった。劇場では客席の熱気もあって、そんなことは気にならなかったけど、映画だとみんな大人しくみているものだから、客席とスクリーンとのギャップがあって、それが恥ずかしさになったのだと思う。まあ、いちばん恥ずかしいのは、その真っ直ぐな思いを恥ずかしいと感じる自分自身なんだけどね。