ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

0.5ミリの世界で争う僕ら -システム構築の障害-

過労死

システム構築をする際に弊害となるものがある。それがクライアント自身だ。新しいシステムが理解できないのはまあ仕方がないとして、無理難題を言われるのは困る。

 

システムを更新するということは、仕事のやり方を変えるということ。システム更新は保守の終了や使用しているパソコンの更新、OSの変更などがきっかけとなることが多い。クライアント自身はシステムをかえたいとは思っておらず「仕方がなく」が本音だと思う。僕だってそうだ。使えるものであれば、長く使いたい。

 

「今までと同じようにお願いします」

 

こう言われるのがいちばん困る。システムが変わるのだから同じというわけにはいかない。今となっては使っていない機能もあるだろうし、仕事のやり方だってかわっているはずだ。それらをシステムに反映して新しいやり方を行わなければいけないのに、それを考えずして「とにかく一緒がいい」というのだ。思考停止に陥った人間は進歩がない。まわりは日々成長している。現状維持はマイナスなのだ。

 

ひとりだけでもシステムの考えができる人間がいればいいのだが、今関わっている部署にはそれがいない。この部署に関するいい噂はきかない。多分、相当下位の職場だと思う。

 

「この仕様で大丈夫ですよね?問題ありませんね?」

 

僕は不安だったからしつこく確認したし、証拠となるように議事録やメールで文書も残した。

 

「いや、実はこんな作業もあるんですよね」

 

イレギュラーと称して次から次へと新しい案件が出てくる。ってかね、毎週行っている作業をイレギュラーとは言わないんだよ?

 

「これだけイレギュラーが多いのであれば、全て手動で行ってはどうですか?」

 

自動化しようと思うから仕様変更が発生する。月曜日だけはこの時間帯に処理して欲しい。この製品だけはこんなふうに処理して欲しい。要求は日ごとに細かくなる。

 

さすがに腹が立ってきたので「手動で作業せぇや」と言ってやったのだが、子供みたいに「いやだ、いやだ」というのだ。できない処理ではないのだが処理するパターンが多岐にわたるとバグが発生しやすくなる。この段階での仕様変更は難しい旨を伝えると「できないと問題になりますね」などと言いやがるのだ。僕が悪いのか?問題なのはお前だろうよ。

 

このシステムからはExcelで帳票を出力する。前のシステムは独自のシステムだったのでフォントが違ったり、表示位置が若干異なったりする。だから事前にフォーマットは異なることを説明し、了解をいただいていた。

 

「前の帳票と比べて、ここの位置が0.5ミリずれてますね」

 

定規をあてながら、その差をチェックしている担当者。はぁ?0.5ミリの違いがなにに影響するというんだ?お前の考え方は何メートルずれていると思っているんだ。0.5ミリの差で僕らの世界のなにがかわるというのか。

 

さすがに困り果てたので、その担当者の上司に僕は直談判した。

 

「なんにも影響なくね?」

 

その上司はそう言ってくれた。それが普通の反応だと思う。0.5ミリの世界で争うことに意味はない。担当者はそれが気に入らないのか、爪を噛みながら、苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。年上の子どもは対応に困る。