ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

影響力のある立場だということを認識してください

システム

「そのデータがないとシステムは動かないよ?」

 

切り替えを翌日に控え、そんなことを言われた。旧システムから新システムへの移行を僕は担当した。新システムに移行するのは一部の機能だけ。新システム側のデータがないと旧システムの他の機能が動かないというのだ。システムが動かないと業務がまわらない。さあ、困ったことになった。...でも、本当に困ったことになったのか?

 

冒頭の発言をしたのは旧システムの担当者である。仮にHさんとする。Hさんは今では僕のチームの上位に位置する組織にいる。建前上はその組織から指示を受けて僕たちは動いていることになっている。そんな関係だから定期的にその組織と僕のチームはミーティングと称して業務報告を行っている。システムの切り替えを行うことももちろん報告していた。それなのに切り替え前日になってそんなことをいいはじめたのだ。

 

旧システムはブラックボックスと化している。システム利用者は言われるがままに操作しているだけだし、自分の範囲しか理解していない。システム保守担当者もいるのだが、それに調べてもらっても「よくわからないなぁ」というばかりで役には立たない。ちなみにこのシステム担当者というのは以前の記事に登場したこともある老害先生だ。そんな状況だから旧システムに関わったことのあるHさんに自信をもって冒頭のように言われると皆が慌てふためくのだ。

 

しかし本当にそのデータがないと旧システムが動かないのだろうか?仕様から考えてもそんなことはない気がする。仮にそれが本当だとして、それに誰も気が付かないなんてことがあるだろうか?困るのは僕ではない。システム利用者だ。いくらレベルの低い部署とはいえ、業務の流れを知っていれば気が付きそうなものだが。

 

僕自身は困らないとはいえ、一応仕様書等を確認してみた。どう考えても問題なさそうだけどなぁ。Hさんにあれだけ自信満々に言われるとなぁ。利用部署は利用部署で緊急の会議を開いたらしい。

 

「やってみないとわかんなくね?」

 

結局、システムの切り替えは予定通り行われることになった。本当にそのデータがないとシステムが動かないのか、誰もわからないのだ。動かなければパラでデータ入力をすればいいだけのことだ。この一ヶ月近く、平行テストとして新旧のシステムにデータ入力をしてきたのだし、それを明日からも続ければいいだけのことだ。その間に対策を考えればよい。

 

実はこのシステムは他の部署でも利用していて、その部署にはそこそこ詳しい人がいる。僕はその人に「多分問題ない」ことを確認していた。それはあくまでも多分という話だから、あえて公にすることはしなかった。

 

そして翌日。

 

「特に問題なくシステムは動いています」

 

あのHさんの自信はどこからくるものだったのだろう。20年くらい前の記憶を頼りに、つい発言してしまったのか。俺はこのシステムに詳しいんだと自慢したかっただけなのか。そのくだらない自負心のためにどれだけ多くの人がふりまわされたことか。自分は影響力のある立場の人間なんだということをよく自覚して欲しい。

 

両手をついて謝ったって許してあげないんだから。