ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

朝っぱらからケンカをした

洗濯機

「なんど言ってもわからないやつだな」

 

それはしなくていいと言っているのに、しつこくそれをしやがる。僕のいうことを聞いてればそれでいいんだよ。余計なことはしなくていい。与えられた仕事だけをしていればいい。さっさと終わらせてくれ。

 

喧嘩の相手は洗濯機。朝っぱらから洗濯機と喧嘩をした。何度も鳴るアラーム音。

 

ピーピーピー

 

「助けて、動けねぇ」

 

洗濯物が絡まってうまく脱水できないと僕に助けを求めるのだ。全自動洗濯機のくせに世話の焼けるやつだ。

 

絡まっているそれらを解いて複雑な関係にあるそれらをなんとか仲直りさせる。

 

「ほら、朝っぱらから絡み合ってんじゃねぇよ」

 

その十分後。再び鳴るアラーム音。

 

「助けて、動けねぇ」

 

またか。今度は誰だ?誰と誰が絡み合っているんだ?状況を把握し仲直りさせる僕。

 

もう注水は必要ないからな。モードを脱水のみに切り替える。さっさと脱水して終わらせてくれ。

 

洗濯機

 

ジャーーッ

 

なぜか注水をはじめる。なんでだよ?だれも洗ってくれなんてお願いしてないぞ?まあ、いいや、それで気が済むんだったら、そうしろ。

 

ピーピーピー

 

「助けて、動けねぇ」

 

アホか、お前は。何度も何度も同じ間違いを犯しやがって。だから注水は必要ないっていっただろ。学習能力ゼロかよ。

 

蛇口をひねり強制的に注水をさせないようにする。さっさと脱水してくれないとね、僕は会社に遅れるんだよ。君たちを水浸しにしたまま出かけることなんてできないだろう。

 

ようやく脱水のみを行う洗濯機。その五分後に終了のアラーム音。よしよし、ようやく終わったか。

 

洗濯機から洗濯物を取り出すも、なんだか重さを感じる。中途半端な脱水。タオルを絞れば水が滴る。どうやら洗濯機は脱水することを諦めたようだった。