ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

自分の日常に飽きたら

Aribnb

Aribnbで宿を借りる。それは、その一瞬だけ僕ではない別の誰かの生活を体験しているようなものだと思う。特にその部屋に持ち主の生活感を感じるとき。はじめてAribnbを利用した時は、この「他人の生活感」が苦手だった。中にはいかにも「貸す用」の部屋といったような殺風景な部屋もある。

 

直近で利用した部屋はガッツリとモノが残されている部屋だった。この部屋にはなんとパソコンが置いてある。珍しい。ログインユーザはもちろんゲスト用と持ち主さん用にわかれているが、どうやら使ってもよさそう。僕なら絶対に使用させないけど。このパソコンでブログの更新をしようと思ったが、セキュリティソフトが入っていないようだったので断念。閲覧専用に利用させてもらった。セキュリティソフトを入れないだなんてこわいことをする人もいるんだねぇ。

 

この部屋のメインは本みたい。本を見ると人となりがなんとなくわかる。「独習C言語」「Webデザイン入門」こんな本を読みながらセキュリティの意識甘いって大丈夫か?見ればノートやメモ帳、個人情報丸わかりの会員書、診察券なんてものも目に見えるところにある。開けられたくない箇所には「プリーズドントオープン」ってテープ入ってあるけど、開けられるし。きっと人を性善説で見ている「いい人」なのだろう。

 

他には旅行関係の本が多い。ソウル、セブ島、インドなど。彼もまた旅行中なのだろうか。年に数ヶ月を海外で過ごして資金が尽きれば日本に帰ってくる。そんなオーナーさんの姿が想像できる。その間に僕はこうやって宿を安く提供してもらえるし、彼にとっては海外生活の資金の足しになる。いい関係じゃないか。昔でいえば「ちょっとお醤油貸していただけます?」「これうちで採れたおナスなんですよ、よろしければどうぞ」といった関係だろうか。両者とも得をする。民泊ってなんていいシステムなんだろうと思う。

 

その部屋でいちばん他人を感じるのはなにか。僕の場合は匂いだ。他人の家の匂い。臭いだと我慢できないが、匂いであれば許せる。僕が使っていない石鹸やシャンプー、脱臭剤なんてものが混ざりあって、僕の日常にはない他人の匂いとなる。中でもいちばんは洗剤のそれだ。最近は香りが強いものが多いから、特にそれを感じやすい。僕は必要最低限のモノだけを持って旅をする。だから着替えも一日分のみ。その部屋の洗濯機を借りて洗濯する。洗剤も使わせてもらう。洗ったものは他人の匂いにつつまれる。僕じゃない香りに包まれる。その瞬間、誰か別の人間になったようでキライではない。

 

二日もその部屋で暮せば、まるでそこは僕の部屋のように感じる。初めて見る景色も見慣れている景色のように感じる。ホテルだとそうはいかない。見える景色が違う。暮らしている景色とビジネスの景色。ほんの少しだけそこで暮らす。自分の日常に飽きたら、そういう経験もいいと思います。