ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

なにもかわらないことの安心感と惰性

パソコン

僕は今、出向者の立場なのだが、近々本社復帰となるらしい。もちろん僕のチーム全員だ。僕たちのチームが発足して十年。この間に五回も組織変更があった。落ち着きのないチームだと思う。

 

所属する組織は変われど、仕事内容はなにもかわらない。今まではそれがいいことだと思っていた。「なにも変わらないから安心してください。今まで通り僕たちがシステムの面倒を見ますから」そうやってまわりの部署を安心させ、形だけの組織変更を行ってきたのだ。

 

しかし、それが正解だったのだろうか。僕たちは変わらなければいけないのではないだろうか。僕たちのチームになにかしらの期待があるから上層部は試行錯誤しているのではないか。なにも期待していないのにムダに組織を変えるはずはない。変えようとすれば手間もかかるしコストもかかる。

 

僕は今回、組織が変わるための具体的な案を上司に提案した。「うん、わかった」と言ってくれたが実際にはどうなるかわからない。同じ仲間が賛同してくれるかどうか。それによってチームワークを取り戻せるか。

 

僕もそういう年齢になったのだろうか。組織運営というものを考えるようになった。現実にはその立場にはないので、考えたところでなにがどうということもない。僕たちのチームはどこに所属するのがベストか。求められている役割はなにか。人材の配置。僕の後任。考えれば考えるほど難しい。

 

「僕一人で全社システムを運用するのはリスクですよ。人を増やしてくださいよ」

 

僕は上司にこう相談したことがある。

 

「いいよ、適任がいたら引っ張るから。誰かいる?」

 

僕はそういわれて悩んだ。システム構築なんて誰でもできるわけではない。興味がなければできる仕事ではない。僕の会社はIT関連というわけではない。全く関係ない業界の社内SEなのだ。その中でシステムに強い人間を探そうと思うと至難の技。今までは気軽に「人を増やして下さい」「あの人なんとかして下さい」と上司に詰め寄っていたが、上司の立場で考えると人事っていうのは大変なのだ。

 

大変だからそこ僕は目を光らせるようになった。「ICTが得意そうな人はいないかなぁ」と。僕とてICTが得意なわけではない。むしろ興味はない。どちらかといえば業務のムダをあぶり出し、それを改善していくのが楽しい。その手段としてICTを活用しているというだけの話だ。

 

人は変わることを嫌う。今まで行っていた業務をやめるという決断をしたがらない。そこをどう説得していくか。その人の性格を判断して物言いを変える。牙城が固そうであれば外堀から攻めていく。そうして落城したときの達成感といえば何物にも代えがたい。こういうのを楽しめる人間がいるかといえば、なかなかいない。社内SEって実はICTの知識はあまり必要ないと僕は思っている。まあ、僕の会社がまだその程度ってだけのことかもしれないが。