ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

夜空はいつでも最高密度の青色だ

夜空

僕にしては珍しく仕事帰りに映画を観に行こうという気になった。今日が映画の日でありメンズデーであることが大きく影響している。そのふたつが重なったところで割引率が大きくなるわけではないけれど。

 

せっかく映画を観に行こうという気になったのだ。その気持ちを逃す手はない。その日の朝にオンライン予約を行った。予約しなくても席は余裕で確保できそうだったが、 夕方になって「やっぱ、面倒だしいいや」という気持ちになる可能性もなくはない。むしろ可能性は大。予約しておけば行くしかない。今朝の僕のおかげで一日はなんだかウキウキしていた。「仕事終わったら映画観に行くんだぁ」と。

 

そんな日に限って夕方ころに緊急の仕事が入る。全力でこなせば時間内に終わるはず。全力で頑張った結果、無事に仕事は終了した。

 

そして映画館へ。まずは腹ごしらえ。揚げ物を食べよう。サクサク衣のトンカツ。 揚げ物は自宅ではしないので、こんな機会でもないと食べることがない。僕はエビフライとロースカツを注文した。でてきたそれらはなんだか全体的に色が薄く白っぽい。見た目に食欲をそそらない。あと30秒ほど揚げてもよかったのではなかろうか。僕はそんなに急いではいないのだよ。もっと時間をかけて揚げるべきだろう。

 

僕が観たのは「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」気にはなっていたが、どうしても観たかったわけでもなかった。たまたま僕の都合と上演時間と映画の日というタイミングが一致した。原作は詩集らしい。どうりで少しばかり気恥ずかしさを覚えるタイトルなわけだ。著者は最果タヒという人。詩人といったほうがいいのだろうか。タヒという名前は「死」に似ているなと思っていたら、それが由来なのだとWikipediaに書いてあった。

 

映画の内容は日常系。死。愛。そんな感じ。派手さのある映画ではない。工事現場で働く主人公の年収は200万円いくかいかないか。「それくらいがちょうどいいと思ったから」とは主人公の言葉。身の丈がなんだか悲しい。仕事仲間は突然倒れあっけなく死ぬ。看護師をしている女は夜、ガールズバーで働く。彼女の母親の死の原因は自殺だった。隠せない事実を隠そうと誤魔化す父親。苛立つ彼女。

 

なんだかよくわからないけど今日という日がやってきて、明日という日もやってくる。そこに希望があるかどうかなんてわからないし、希望がなにかさえもよくわからない。わからないから喋る。言葉にできない不安を言葉にする。そうしないと不安だから。

 

仕事帰りに観に行くにはピッタリの映画。木曜日辺りに観るのがベスト。楽しいはずの金曜日にこの映画をみると週末がドンヨリするよ。まあ、日常ってのはそんなもんだけど。