ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

パンとの格闘、今朝の日記

パン

ふと目が覚めた。時間はまだ朝の四時前。

 

「あ、パンを焼くの忘れてた」

 

僕は毎朝のパンをホームベーカリーで焼いている。材料を計って準備だけはしていたのだがホームベーカリーにセットするのを忘れていたのだ。目が覚めてすぐにこんなことを思い出すだなんて僕はすごい。でも、寝る前にそれに気が付かなかったのだから僕はダメなやつだ。焼きあがるまでには四時間かかる。いつも八時ころに家を家をでるので、すぐにセットすればギリギリ食べられそう。

 

このホームベーカリーにはタイマー機能もついているのだが、一度も使ったことはない。母親は確かタイマー機能を使っていたはず。今度、きちんと使い方を調べてみるかなぁ。このホームベーカリーで僕が使用できる機能はふたつだけ。普通の食パンとソフト食パンの焼き方の二種類のみ。ピザと書いてあるボタンもあるのでピザ生地も焼けるのだと思う。

 

僕はバゲットが焼けるホームベーカリーが欲しい。しかし、その焼き方を調べてみると少々手間がかかるよう。生地を捏ねるのはもちろん自動。焼くのも自動なのだが、そのあいだの処理が手動なのだ。バケットの形を整えるところ。成形を自分でやらなくてはいけない。その一手間があるだけでハードルは上がる。パンの形を整えようと思えば、台の上に粉をまぶさないといけないだろう。それをする手間。片付ける手間。気軽には行えない。

 

ところで今朝のパンの話。焼き上がる五分前に取り出しても影響はないだろう。だとすれば出かける十五分前には焼き立てホヤホヤのパンを食べることができる。でも、時間的にはギリギリだから出かけるための準備は全てすませておこう。あとは食パンを食べて出かけるだけという状況にしておこう。

 

そして焼きあがりの少し前。確認すると八分と表示されている。五分も八分もかわりはないか。開けても大丈夫だろう。いやいや、五分前でさえ通常の焼き時間よりは短いのだ。それより更に早くしてはならない。その三分の差でパンが生焼けになる可能性がなくもない。カウントダウンする数字を眺める。眺めたとて早くなるわけでもないのに。

 

そして五分前。もうよかろうと蓋を明ける。伝熱線が真っ赤に燃えている。ここで焦ってはならない。火傷をするとパンを食べるどころの話ではない。熱すぎる容器。取っ手を布巾で包んで取り出す。とりあえず側を水で冷やす。ジュッという音とともに蒸発していく。ある程度覚めたところでパンを取り出そうと試みる。パンの外側は固いのだが、中はフワフワ。フワフワ過ぎて、手でつかむとパン全体がグシャっと潰れるのだ。どうしたらいい?時間がない。僕は出かけなければならない。無理に取り出す。崩れる食パン。悔やんでいるヒマなどない。パン切り包丁で切る。ふわっと香りが漂う。いかにも美味しそう。ハフハフと口に頬張る。焼きたては美味しいがじっくり味わっている時間がないのが残念だった。

 

パン

 

さて、残りの熱々のパンをどうしようか。外は雨。湿度が高いのにこのまま放置しておいたら確実に食中毒の原因になる。今の時期、無添加食材にとってのいちばんの敵は食中毒。カビだ。熱々のまま冷蔵庫に入れるわけにもいかない。他の食品がやられてしまう。のんびりと冷ましている時間などない。僕は出かけねばならんのだ。どうする。どうする。そうだ、扇風機だ。風呂上がりに暑ければ僕は扇風機の風にあたる。パンも同じく、扇風機の風で冷ませばいい。扇風機を強風にする。その前に食パンを置く。風にあたっている食パン。なんてシュールな絵だ。おかげでパンはあっという間に冷めた。パンは冷蔵庫へ。僕は無事会社へ。