ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

無礼者

居眠り

気が強そうにみえて実は芯がしっかりしている人間というのはいる。周囲から見れば、僕もそのタイプとしてみられていると思ったのだが、そうでもないらしい。「僕も気が弱そうに見えるかもしれませんが」と話すと「誰が?アズくんが?んなわけないじゃん」とあしらわれた。僕が思っている僕と他人が思う僕はどうやら違うらしい。

 

仕事場で僕の目の前に座っている彼も一見、気が弱そうに見えるが芯がしっかりしたタイプの人間だ。悪い意味で。

 

彼に対してすごくぞんざいに接する人がいた。

 

「だから言ったろうが、なぁ、わかってんのかお前」

 

彼はそれに対して健気に対応していた。「はい、すみません」そんな彼の冷静な対応もその人を苛立たせていたのかもしれない。そのやり取りはみていてすごく不快なものだった。だけども、彼はそのことに腹をたてるでもなし。落ち込むでもなし。彼自身が気落ちしているなら、救いの手を差し伸べることもできるのだが、彼自身はいたって普通にしているので余計な世話も焼けない。

 

そんな彼に年の近い先輩が仕事を教えていた。彼の机でパソコンの画面でなにやら一生懸命教えている。別に僕はそれをじっと観ていたわけではないが、目の前にいるのだからいちいち様子がわかってしまう。

 

教えている最中に彼は席を立った。あれ、休憩にしてはタイミングが早いな?どうやら彼はコーヒーを入れにいったらしい。それは教えている先輩が促したこと。コーヒーでも飲んで目を覚ませと。そう、彼はマンツーマンでなにかを教えてもらいながらうつらうつらと寝ていたというのだ。午後のいちばん眠い時間帯。その他大勢に紛れて眠ってしまうのならわからなくもない。すぐ横に先輩がいて至近距離で教えてもらいながら居眠りとは。大した度胸というかマイペースというか怖いもの知らずというか。まあ、礼儀知らずだな。

コーヒー

「信じられる?」と先輩は呆れ顔。その彼はコーヒーを片手に帰ってくるなり「いやぁ、なにを言ってるんだかわからないので眠くなっちゃいました」と。お前こそなにを言っているんだと僕なら怒鳴り返してやるけどね。先輩は怒るでもなく説明の続きをはじめた。

 

マイペースにもほどがある。これは世代の違いということですませていいのだろうか。個の違いだろうか。こんな人間には怒鳴っても通用しないんだろうなぁ。まあ、世の中にはいろんなタイプの人間がいるってことです。