ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

泥人形再び

トラブル

なんだか嫌な予感はしていた。昨日の帰りがけのこと。泥人形から問い合わせの電話がかかってきた。泥人形を相手にする時はできるだけ自分の感情を押し殺すようにしている。そうしないと自分が壊れるから。昨日も淡々と問い合わせの内容に答えたのだが、どうにも理解していないようだった。

 

 

そして今日、再び泥人形から電話があった。携帯電話に表示される電話番号を観るだけで気が滅入る。内容はやはり昨日の続きだった。昨日のことなどなかったかのように同じ質問を繰り返す。泥人形に操作してもらうのは無理だと思い、僕がやるから情報をメールでくれとお願いした。質問内容はデータ入力をしたいのだが、それができないという初歩中の初歩の質問だった。

 

そして送られて来たメールは案の定、僕の期待した内容ではなかった。どこにどんな情報を入力したいのかを教えてくれとお願いしたのだが、まるで頓珍漢な返事がきたのだ。そもそも入力すべき伝票を起票していないらしい。コンセントも差していないのに「テレビが映りません」といっているようなもの。まずはコンセントを差せよ。そこから僕が教えてあげなきゃいけないのか。

 

まずは起票して下さいとお願いしても「いや、データ入力ができないのだ」と言い張る。冷静に冷静に。自分をおさえろ。相手は泥人形だ。僕も泥人形になりきるのだ。「まずは起票しないとデータ入力はできません。いつも通りに起票を行って下さい」とお願いすれば「いつも通りってどうやるんですか?」とかえってくる。なめてんのか。毎日毎日その作業をしてるだろうが。泥人形は少しでも道を外れると「いつも通り」がわからなくなるタイプ。立ち止まると自分の居場所が理解できないようなのだ。

 

「前に進むにはどうしたらいいですか?」

 

「まずは右足を出して下さい。そうしたら左足、次に右足、左足」

 

「あぁ、歩けました。ありがとうございます」

 

いったん立ち止まると、どうしていいのかがわからなくなるのが泥人形。また僕のところに電話がかかってくる。

 

「前に進むにはどうしたらいいですか?」

 

そんなことを延々と繰り返してきたが、さすがの僕でも我慢の限界だ。

 

「まずは、右足を出して下さい」

 

「は?」

 

「右足です」

 

「は?」

 

思わず電話を切ってしまった。そうしないと品のない言葉で泥人形を罵ってしまいそうだったから。それでも泥人形はノーダメージで、大ダメージをくらうのは僕なのだ。メガンテの呪文を唱えて死ぬのは僕だけ。