ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

自由な自由席

新幹線

昨日の記事の続きのような内容になります。新幹線の中。僕はある事情で指定席から自由席へ移動した。車内は空いている。入れ替わりも激しい。僕は車両のいちばん後ろの窓側の席に座った。

 

時間は朝の十時頃。通路を挟んだ向こう側の席に座った男は弁当を食べ始めた。ほほう、こんな時間に弁当か。牛肉のなんとか弁当らしきもの。朝からガッツリですね。まあ、牛肉なんとか弁当を朝の十時に食べていけないなんてルールはない。その人にとっては久しぶりの食事だったのかもしれない。朝を食べ損ねてこんな時間帯に朝食なのかもしれない。昼に食べる時間がないからこんな中途半端な時間に食べているのかもしれない。

 

ふとそのひとつ前の席を見ると、その男もなにやら食べている。ローストビーフだ。スーパーに売っているようなパックに入ったローストビーフを黙々と食べているのだ。ビールを飲むでもなし、そんなにローストビーフだけを黙々と食べられるものなのか。食べれるものなのだ。実際、目の前の男は食べてるし。一切れ食べたら、次の一切れを頬張る。規則正しくその行為を繰り返している。美味しそうでもなし不味そうでもなし。

 

ローストビーフは食べ終わったようだが、男の食事はそれで終わらなかった。次に取り出したのは、ナスのおひたしのようなもの。あれは間違いなくナスだ。それをローストビーフのときと同じく黙々と食べる。そんなにナスのおひたしだけを黙々と食べられるものなのか。食べれるものなのだ。実際、目の前の男は食べてるし。最後に汁を飲み干す。なんの汁なんだか。

 

男の食事はそれでも終わらなかった。次は弁当だ。幕の内弁当のような弁当。メインディッシュか。だとすれば、ローストビーフとナスのおひたしは前菜か。その弁当も黙々と食べ続ける。美味しそうでもなし不味そうでもなし。弁当に飲み干すような汁はなかったようで男の食事はそれで終わった。

 

自由席って自由でいいな。