ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

映画「海辺の生と死」の感想

「海辺の生と死」という映画をみた。第二次世界大戦中の沖縄での物語。戦争は終わろうとしている。日本は負けようとしている。海軍は攻撃ることも反撃することもなく、ただただ敵に見つからないようにそこにいる。海軍が沖縄にきたのは島の人たちを守るためではなく、人間魚雷となるため。自らの命と引き換えに敵の軍艦に突っ込むのだ。そのことはもちろん島の人たちには知らされていない。そんな状況で隊長と教師は恋をする。交差する生と死。

 

トエを演じた満島ひかりの演技も安定してうまいのだが、それ以上にいいのが子どもたち。あれは演技などではなく、素だと思う。「誰も知らない」の柳楽優弥のよう。自然体過ぎるのだ。のびのびしていていい。おりこうさんな大本通りの演技ではなくて、実に子どもらしい。思わずにやっとさせられてしまう。

 

リアルといえば、遠くに爆弾が落ちてきたであろう場面。教師は教室の後ろに子どもたちの絵を画鋲で貼り付けている。その時、突然の爆音とともにガラスの破片が飛び散る。間接的な場面なのだが、リアルに恐怖を感じた。こわかった。ほんの一瞬のその場面で戦争のこわさを実感した。実際にはあれの何倍、何百倍もこわかったのだろうと思うと...。

 

映画の終盤、ついに部隊に突撃の命令が下る。広島に新型爆弾が落ちて、戦争はもう異割に近いのに、それでもなお死ななければいけない。死ぬということが名誉だと考えられていた時代があったなんて、狂気の時代としか思えない。

 

最後に海辺であうふたり。最後のとき、別れのとき。隊長は「これは練習だから、また手紙を書くから」と安心させようとする。そんなことには騙されないトエ。いつまでも離そうとしない。本当につらいときは、子どものように泣きじゃくるんだなぁ。自分の感情を抑えられず、悲しみを爆発させる。隊長は去っていく。砂浜に残された足跡を必死にかき集め、自分の懐にしまおうとする。集めても集めてもこぼれ落ちる足跡。悲しみはスルスルと指の間を流れ落ちてゆくのだ。

 

戦争はやがて終わる。集団自決を決めた島の人は無事だったのだろうか。隊長は海軍は無事だったのだろうか。

 

映画の序盤は戦争真っ只中にも関わらず、穏やかに時が流れていきます。それが少し退屈に感じました。正直、寝た。でも、最後の海辺の場面は涙した。155分は長すぎるように思いました。だけども見るべきポイントは要所要所にあります。やっぱり人は生きていなきゃいけない。