ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

コツンコツンの夜

夢

夢から現実へのチェンジオーバー。僕は最初、夢を見ていたと思った。コツンコツンと音がする。それは夢だったのだから映像も存在していたはずなんだけど、どうしても思い出せない。

 

コツンコツン

 

なにが鳴っているの?誰が叩いているの?ぼんやりと目が覚めてくる。ノンレム睡眠中にたたき起こされてしまったようで、頭がまわらない。眠くてしかたがない。

 

コツンコツン

 

僕はそれを現実の音としてて認識した。どこかで音が鳴っている。どこから聞こえてくるのだろうか。それがわからない。

 

コツンコツン

 

足元のほうから聞こえてくるようでもあり、頭上から聞こえてくるようでもある。いや、外から聞こえてくるのだろうか。ボンヤリした頭が状況を把握しない。

 

とりあえず僕は足元から聞こえてくると仮定してみる。

 

コツンコツン

 

その音の正体が足元からだと思えば、そんな気もしてくる。だけどもなにかが違う。これを発しているのは何なのだ?

 

人!?

 

誰かが僕のうちに侵入してきたか。泥棒か。はたまた形のない人か。命の危険を感じる僕。じっと身を潜める。

 

コツンコツン

 

身動きできない。電気をつけることもできない。真っ暗の中であかりを灯せば、僕の存在がばれてしまう。僕はここにいますよと教えてやっているようなものだ。

 

しかし足音はしない。人間が発する音でもないような気がする。ボンヤリした頭はまだまわらない。

 

コツンコツン

 

天井か!?天井裏になにかがいるのか。いたちか。ネコか。それならば、彼らは遠慮をしらないだろう。僕が寝ているのも気にせずドタバタと駆け回るはずだ。

 

コツンコツン

 

すぐそばの引き戸の向こうから聞こえてくるような気もする。ガラスの引き戸にじっと目をこらす。そこにはなにもいない。

 

外から聞こえてくるような気もする。さいわにも月のあかりで外は明るい。見渡す限り、そこにはなにもいない。

 

コツンコツン

 

僕は眠くてしかたがない。次第に音にも鳴れてきた。僕の命を脅かす音ではないようだ。ベッドに横たわる僕。僕はコツンコツンを子守唄にふたたび眠りについた。

 

コツンコツンの夜の正体は不明。