ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

映画「犬猿」を観ての感想

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犬と猿は仲が悪い。十二支を決めるレースで犬と猿は共にゴールしようと誓ったのに猿が犬を裏切って先にゴールしてしまった。結果、猿は九位、犬は十一位、仲裁に入った鳥がその間の十位となった。それ以来、犬と猿は仲が悪いのだそう。

 

ってかね、元々は仲良しだったんだね。

 

仲がいい人同士ほど、一度こじれるとそれを修復するのは難しい。それが兄弟ならなおさら。お互いに遠慮はしない。深いところまで傷つけあってしまう。まあ、兄弟だからこそそんなことになってしまうのだろうけれど。

 

この映画はそんなお話です。僕はいい映画だと思いました。兄弟がいる人は観たほうがいいと思います。泣けます。

 

以下、ネタバレです。

 

物語の中心となるのは、ある兄弟とある姉妹。

 

弟は当たり障りなく生きる道を選んだどこにでもいるような男。兄は正反対で刑務所に入ったり、違法薬物で大儲けするようなどうしようもない男。いい言い方をすれば破天荒で一発逆転を狙うタイプ。

 

そんな兄だから弟は迷惑に思うわけだ。刑務所から出てきて弟の家に居候し、勝手に貯金をおろして使ってしまう。その金で家にデリヘルを呼ぶ。

 

いっそいなくなればいいのにと願ったりもする。

 

そんな兄に弟は子どものころから守られてきた。迷惑に思いながらも都合のいいようにその暴力を利用してきたのだ。「そんなこと誰もお願いしてないだろ」と口ではいいながらも利用する。

 

どこにでもある話だと思う。権力に寄り添うっていうか。自分の利になるのだったら、多少の悪には目を瞑る。他人の悪は許さない。そんなどこにでもいる偽善者なのだ。

 

一方の姉妹は親から受け継いだ印刷会社を経営している。下請けの小さな会社。

 

姉はブスだが仕事はできるし、頭もいい。家のこともできる。妹はその逆。美人だが、仕事はできない。芸能の仕事もしているが売れないグラビアの域を超えられない。

 

美人というだけでちやほやされる妹に嫉妬し、口汚く罵る。ブスが更にブスになる。妹は妹で他人から美人だが頭はからっぽと思われていることにコンプレックスを抱いている。

 

隣の芝生は青く見えるもので、どう生まれてきたって不満はあるものだ。上を見ればきりがないから僕は今の自分を「これでよし」を思うようにしている。

 

兄弟の弟はこの姉妹が経営している印刷会社のクライアント。ブスの姉は弟に恋をする。それを妹が奪う。

 

「だからお姉ちゃんのものってなんでも奪いたくなるんだよね」

 

好きでもないくせに心中の人を奪われ、悲み怒る姉。

 

で、姉は手首を切ってしまう。兄弟の兄は恨みを買い弟の自宅で何物かに刺される。

 

自宅に帰ってきた弟は兄のその様子に驚き救急車を呼ぼうとするも、そのまま出ていってしまう。このまま死んでくれればいい。

 

その後、どうなったかは映画を観てからのお楽しみですかね。最後のこの場面がめちゃ泣けます。

 

兄弟って不思議な力で結ばれていて、どうにもうっとおしかったり邪魔だったり、それでも大事な存在だったりするんですよねぇ。

 

いなくなればいいのにと思うけど、実際にいなくなったら悲しいのは他人の比じゃない。

 

映画をみていると、自分の兄弟のことを考えざるを得なくて、なんだかとても不思議な感覚に見舞われました。

 

兄弟はね、大事にしないとね。

 

でもね、犬と猿はそうそう仲良くもなれないみたい。